2011年度 福井県経営品質賞受賞組織 知事賞
株式会社カワムラモータース
- 設立
- 昭和39年12月(前身は河村商店、明治29年より)
- 代表者
- 代表取締役社長 河村 将博
- 所在地
- 福井県三方郡美浜町河原市17-3-1
- 資本金
- 2,000万円
- 従業員数
- 27名(平成24年5月現在)
- URL
- http://www.hondacars-wakasa.co.jp/
表彰理由
株式会社カワムラモータースHonda Cars若狭は、昭和39年創業のホンダの新車ディーラーとして、新車販売、中古車販売、車両メンテナンス等のサービスを行う企業です。
現在、新車や中古車販売の減少する市場環境と、少子化と高齢化が進む限られた商圏において、組織ヴィジョン「人こそ全 て」の考えと、事業ミッション「トラブルフリーのクルマの創り」の二軸を掲げ、同業他社が行っている新車や中古車販売といった車両販売にとどまらず、「営 業」とは単に販売することではなく、新しい車を販売することによって「トラブルフリーのカーライフ」という価値を提供すること、「サービス」とは壊れた車 を直すことではなく「トラブルフリーのクルマ」という価値を提供することで、差別化を図っています。
これらを具現化するために、共に気づき学ぼうとする組織の一体感を目指すonenessを基本的な考え方に、独自開発の事業戦略ツールであるClear Boxを用いて、顧客の声とメンテナンス情報を収集、活用して、サービス開発と提供に結び付けています。
これまで、顧客視点でのサービスプロセスや営業プロセスなどの取組で、平成18年度福井経営品質賞奨励賞受賞、目指す姿に繋がる戦略展開と社員参画の経営への取組で、平成20年度同優秀賞に受賞されました。
今回、社員参加から社員主体とチームによる組織運営された上で、Clear Boxの継続的進化によって経営の品質も着実に向上しています。その結果、顧客数の増大、サービス売上向上により、自動車小売業においての優良企業平均を 上回る売上総粗利率、ホンダ全国平均を大きく上回る基盤収益率(※)に繋がっています。
※基盤収益とは :新車以外の収益(粗利益) 合計を指す。
※基盤収益率とは:基盤収益を営業費で割った比率を指す。
基盤収益率=(中古車粗利益+サービス粗利益+手数料粗利益)/営業費合計
組織の価値観を事業戦略と組織風土とで明確にして、
組織横断プロジェクト活動と個人の強みを活かした組織運営
組織の価値観を「トラブルフリーのクルマを創る」という事業戦略とonenessの組織風土の二系統に分けることで、顧 客本位の考えに基づいた事業戦略立案や社員重視の考えに基づいた組織風土醸成に有効となっています。また当社独自のClear Boxというシステムで見える化し、権限委譲されている組織横断プロジェクト活動と組織体制でのチーム(「いつも近くで仲間が観てる」)へと展開され、個 人の強みを活かす「いつもどこかで誰かが観てる」と相まって、社員主体によるBP連携の事業戦略系と組織風土系の両面で「トラブルフリーのクルマを創る」 を実現しています。
客理解を重点に置いた現場活動から得た情報を
集約して顧客深耕に活用出来る独自のシステム構築・活用力
社長により戦略ツールとして開発されたClear Boxは、現場社員が主役となるように再構築され、業務の軸として運営されてきました。そのClear Boxを社員から出されたアイデアや意見により、継続的に進化させており、その進化ともに社員自身も成長してきています。また、顧客との関係性と社員視点 を重視した顧客セグメントで顧客理解に努め、現場主体で顧客情報を「ピンと来ちゃいました」「カルテ」などでClear Boxにて集約し、改善事項も改善ボックスに抽出され、社員参加による改善がなされています。これらシステムと現場が一体化した運営によって、顧客の要望 把握と提案およびサービス実行を確実に行うための提案力・サービス力・実行力を強化させています。
明確にされた組織風土を具体的な活動とし、
社内では一体感を、社外では絆を重視して地域と密着度を高める取り組み
共に気づき、学ぼうとする組織の一体感を目指すonenessを基本的な考え方として、積極的な地域と業界活動はもとより、特に定年社員の延長雇用 による「企業価値再開発推進者」の配置などで地域ニーズを把握されています。来期は、onenessの次ステップとして、社員の発案や創意工夫で、より地 域密着を高めるために始動しようとしていることは、限定された商圏でトラブルフリー指向の顧客拡大や顧客との関係性を強化され、地域との密着度も高まりま す。