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過去の活動

「いい会社をふやしましょう」

    『いい会社を増やしましょう』

~誰のために、何のために事業を行うのか~

開催日 平成29年10月12日(木) 15:00~17:00

場 所  ユアーズホテルフクイ 4F 芙蓉の間

講 師  新井 和宏氏 鎌倉投信(株) 取締役資産運用部長

 

「いい会社をふやしましょう」 ~誰のために、何のために事業をおこなうのか~ と題し『ガイアの夜明け』やNHK『プロフェショナル~仕事の流儀~』など取り上げられ出演された鎌倉投信(株)取締役資産運用部長 新井 和宏氏をお迎えしご講演頂いた。

冒頭、新井氏は自分の置かれた家庭環境について話された。畳屋のせがれとして生まれ、母親は身体障害者であること、小さいころ父親が交通事故で亡くなったことでアルバイトをしながら高校を卒業、そして夜学の東京理科大学を卒業後、現在の三井信託銀行へ就職、2008年バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現在のブラックロック・ジャパン)外資系運用会社へ転職した。その投資会社の運用成績は全世界で200兆円の資産を運用し、新井氏もその中で10兆円を運用していた。

しかし、2007年ストレス性の難病を患い、2008年辞めることになった。というより体が悲鳴を上げていたんだと同僚に言われた。

同じころ、同僚が収入も家庭も順風満帆な生活をしていたのに突然心臓発作により急死した。

与えられた命を自分の技術、自分の年収を上げるためではなく社会のために使うことを決心した。誰かの犠牲で成り立つ経済を終わらせよう、そうしなければ持続可能な資本主義はできない。

当初金融に戻るつもりがなかったが、坂本光司先生の著書「日本でいちばん大切にしたい会社」と出会い、志を同じにした4人で現在の鎌倉投信を都心から離れた鎌倉の地、それも筑90年の古民家(総面積750坪)を使い立ち上げた。

そして、新井氏はリターンの定義を変えた。 「リターン=資産の形成×社会の形成×心の形成」 =幸せである。

受益者が「資産」を増やし、同時に自分が投資したお金が「社会」を豊かにしたと実感できれば結果として「心」も豊かになる。その3つが掛け算されたとき「幸せ」というリターンがもたらされる。こうして「結い2101」の金融商品を創った。2017年3月時点で純資産総額263億円 顧客数16769人である。

鎌倉投信は「見えざる資産」即ち社風、企業文化、社員力、社員のモチベーション等を重視している。 

フロー主義の行き着くところは使い捨ての社会になってしまう。フローからストックへと舵を切った。

三方よしから八方よし(全方位よし) キーワードは「ファンをつくる」(共感、感動をつくる) 顧客や社員や株主に経営理念に共感してもらうことから、ファンの第一歩が始まるのだと。

新井氏から素晴らしい事業を行っている伊那食品工業、日本環境設計、エフピコ、ダイニチ、未来工業なを紹介された。質疑応答の際、障碍者を374名それも重度の障碍者を正規事業員として雇用している上場会社エフピコの話は自身の家族と重なり合ったのか時折声を詰まらせながら話された。

今回の講演を聴いて多くの感動を頂いた。 リターン=お金が究極の目的となっていることに対し、いい会社に投資することで生きたお金に使われそれが幸せで返ってくることを改めて感じた。

もし新井氏が病気を患っていなかったらどうしていたのだろうか、今も「ゴールのないマラソン」を目指していたのだろうかと脳裏をかすめたが、やはり遅かれ速かれこのような仕事をしているだろうと・・・・思った。

 

 




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